教育の無償化へ
今日の沖縄タイムスに「夢の持てる教育環境を」というエッセイが載っていました。
学習塾の経営者の方が、経済的理由で入塾をあきらめたり、塾を辞めていく県内の就学援助児童や母子家庭の小中学生を対象に、無償で勉強を教えたり、通塾させる支援活動として「NPO法人エンカレッジ」を設立したという内容です。

就学援助の対象である児童の家庭では学習塾なんて行かせてあげたくても無理・・・という家庭も多いなか、この支援活動によって成績が上昇したり、一番になって自信をつけ明るく意欲的になって成長している子ども達や、それを見て安堵する親の姿を見て活動に意義を感じるというNPOの代表の言葉に、思わず心の中でうなずきました。

一昨日にも同じタイムスのくらし面で、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが昨年末実施した全国母子家庭教育実態調査(このブログでも皆さんにご協力をお願いしました)の結果報告についての記事が掲載されていました。
 (※東京ではこの調査の報告会があり、NHKのニュースでも放映されました)
タイムスの記事の見出しには、「離婚後養育費ゼロ4割」「沖縄は8割」「子の進学に影響」「貧困連鎖へ懸念」とあり、養育費が定期的または不定期で支払われている場合は大学進学を希望する割合が70%であるのに対し、一度も支払われていない場合は37.2%という調査結果があげられていました。

この結果をみなさんはどう受け取りますか?
父親からの養育費が有れば、教育費にも多少余裕が出てきて、塾などに通い進学のチャンスが広がるだろうし、また、家計に余裕があれば子どもも高校を卒業後、就職ではなく進学を選ぶこともできるだろう・・・。

この調査、母子家庭研究の第一人者湯澤直美さんや子どもの貧困問題のエキスパート山野良一さんが参加しており、また、あらゆる設問においてクロス集計もおこなっています。
母親の収入についてだけでなく、学歴とのクロス集計も多数おこなわれています。

母親の学歴に着目すると、最終学歴が高いほど
■養育費を定期的に支払ってもらっている
■親族からの援助が期待できる状況にある
■子どもの大学への進学をより重視する
■母子家庭への偏見に悩む割合が低い
■母親本人が中学のころ学習塾・進学塾に通った経験が多い
という傾向が出ていました。

つまり、母子家庭にも社会階層がある、ということです。
養育費の支払いを定期的または不定期で受けている率も母親の所得と比例し高くなっています。
調査結果を読むと、所得の低い母子世帯にほど子への「教育の機会均等」が絶対に不可欠である、という思いが強まります。
育った家庭の状況によってさまざまな教育の機会を失っていくことは、子どもの限りない可能性の芽を見向きもせずつみ取ることと同じです。

高学歴であれば良いのか、というとそうとも言えません。学歴社会は崩壊したとも言われています。
ですが、この調査結果は、学歴は社会階層を作る一因でもあり、いったん低い階層に身を置くと高い階層に行くことはとてもじゃないが困難である、ということを示しています。
母子世帯の経済力は母親一人の力にかかっており、もともと女性の就労所得自体が社会的に低い位置にあることも原因と言えるかもしれません。

「貧困の連鎖」
止めるのはやはり、どんな家庭にあっても子どもは望むだけのあらゆる教育を平等に受ける保証を得られる、ということではないかと思います。
高校無償化ではなく教育無償化であるべき、だと思います。




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